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2023.11.16

群馬_宝川温泉 汪泉閣



群馬県と新潟県の境 みなかみ町にある「汪泉閣」さん。総面積400畳という巨大な露天風呂に、1分間になんと1800ℓ(ドラム缶10本分)の湯が惜しみなく注がれており、そのスケールの大きさは日本随一と言っても過言ではありません。

テルマエロマエなどの映画でもロケ地として登場したり、海外から多くのファンが訪れることでも有名。それ故、日中は日帰りのお客さんでいっぱいのイメージがあり、これまで立ち寄るのを躊躇していました。

で、今回、家族のお誕生日をかねてお泊りしてきましたー♪で、泊まった感想なんだけど、これまで抱いていたお宿のイメージと、いい意味で異なる部分も多かったので、今回はそんなギャップも含めて紹介していきたいと思います。


★お宿のエントランスはお泊まり客専用★
実は汪泉閣さん、宿泊客は(日帰り客とは別の)奥にある専用玄関から入るんです。なので、混雑することもなく静かな和風旅館の雰囲気を味わいながらチェックインすることができました。これは
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玄関を通り抜けロビーに入ると、全面ガラス張りのテラス。この窓から宝川沿いに色づいた紅葉を眺めることができ、本当に綺麗でした。例年は10月下旬にピークを迎えるそうですが、残念ながらこの時点では未だ6割。それでも充分に目の保養になりました。
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露天風呂を含め、館内はまるで迷路のよう!チェックイン時にいただいた地図を片手に露天風呂へGO♪4つの湯船のうち3つある混浴露天風呂では(事前に貸し出される)湯浴み着を着るのが入浴のルール。なので、家族みんなで入浴を楽しむことができるのも魅力です。女性専用の露天風呂(写真)もあり、女性だけでもゆったりとくつろげます。
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吊り橋を渡って小道を歩くと、川沿いにモウモウと湯気をあげる露天風呂が見えてきます。どの湯船も見渡す限り、圧倒的な開放感!山の木々や川が浸かりながら触れられそうな距離で、これぞ「温泉文化の原風景」と言った印象。最近、露天風呂に行くと(女性風呂は特に)目隠しで視界が狭くなっていて、景色を楽しめないことも多かったので、嬉しくて、嬉しくて…。
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魔訶の湯(混浴)
宝川温泉で一番有名な露天風呂で宿から一番手前にあります。人気だけあり、露天風呂は終始人で賑わっていました。お湯は自家源泉を4つブレンドした単純温泉ですが、湯口付近では硫化水素臭がしっかりと香って鮮度も好調でした。この湯船からは一番間近で紅葉を眺められます。
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※源泉:宝川1、3、4,5号泉、泉質:単純温泉、pH:7.81、成分総計:510mg/kg


般若の湯(混浴)
「魔訶の湯」のすぐ裏手にある混浴露天です。やや浅めで、ぬるめ。お子さんたちには大人気でした。
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印象深かったのは日帰り時間の露天風呂の一幕。おじいちゃんから小さなお子さんまで、いろいろな方が湯浴み着をはおって、川を渡ったり、点在する露天風呂をくまなく行き来されるんです。その1シーンがちょっとした「アミューズメントパーク」にも見え、わくわくしました。湯あみ着があるので、女性の方も混浴で楽しそうに湯あみされてました。
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子宝の湯(混浴)
こちらは、最も川に近く、その自然との一体感は他の露天風呂と比べて一線を画すものがありました。実は汪泉閣さんへ泊まりたいと思ったのも、この湯船の写真がきっかけでした。ただ、この日夕方から小雨だったこともあり、湯温はかなりぬるめ。この日は、女性専用の露天風呂でまったりくつろぐことにしました。
宝川2


★鮮度の良さが際立つ女性露天★
摩耶の湯(女性専用)
温度と言い、鮮度と言い、一番お気に入りで滞在していたのがここでした。湯口からは大量の源泉が注がれており、浴感も温泉のアロマも最高でした。そのすぐ近くに座りながら、しばし湯あみ。ああ、至福…。女性だけでこの湯を独占できるのは贅沢です。
宝川3


★日帰り入浴時間が終わると、湯治場の風情に★
私のお気入りの瞬間は、日帰り入浴時間が終わる16時半から。昼間のにぎわいが嘘みたいに、辺りは一気に静まりかえります。
宝川4
※露天風呂から宿へと向かう小道。木造の東屋にもランプが灯されます。


薄暗い中、昭和11年築木造2階建ての宿舎にオレンジ色の光が灯り、まるで東北の湯治場のような趣深い雰囲気に。泊まった人だけが味わえる至福の時間、本当に宿泊で来れてよかった✨
宝川5
※昭和11年築木造2階建ての第一別館


いや、本当に、午後4時ごろを過ぎると徐々に時が止まったかのような時間の流れになりました。わたし自身、人の多いお風呂が苦手で、混雑すると「お湯の良さ」、「個性」が時折わからなくなってしまうこともあり、静かに浸かるのは本当嬉しい。個人的には、汪泉閣さんは泊まりで来たほうが魅力がよりクリアに感れるんだろうなぁと思います。

次は食事や内湯のことを書きま~す\(^o^)/
つづく…


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Posted at 14:43 | 群馬の温泉 | COM(0) | TB(0) |
2023.11.09

長野_湯股温泉 晴嵐荘



東硫黄沢からの帰り。その後…

2日目は、正午近くまで湯俣沢の大氾濫で水量が引くのをテント場で待ってから行動したため、時間はおしおし。一大目的の「硫黄沢」に行くことはできず、増水用に使う「桟道」を通って湯俣温泉まで戻ることに。

で、湯俣温泉に着いたころには、当たりは薄暗くなっていました。登山服は上も下もびしょ濡れで、寒いのなんのって…(やっぱり10月の増水はキツイ。)

河原の地獄から玉子みたいな香りがした時に「ああ、無事に戻ってこれた…」って、安堵感に包まれました。写真はプルプル震えながら、温かい野湯に入って冷えた身体を温めている様子です。
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※東硫黄沢から帰還し入浴。湯俣地獄の湯は「硫化鉄」で手足が真っ黒になります。一帯は鉄イオン多いのだそう。


地獄谷では70℃~90℃の熱水がボコボコと湧いています。今年は6月と10月2回湯俣地獄を訪れましたが、圧倒的に10月の渇水期の方が浸かれる野湯が多かったです。
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全身真っ黒+ずぶ濡れになりながら電波が通じる場所まで移動、地獄谷から徒歩ですぐの山小屋「晴嵐荘」さんに連絡をしたところ、未だお部屋に空きがあるということで、宿泊させていただくことに♡ 「晴嵐荘」さんは私がず~っと泊まりたかったお宿の1つで、ラッキーとしか言いようがありません。
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※昭和2年創業の「晴嵐荘」さん。当初は「仙人閣」という名前で対岸にありました。


ちなみに「晴嵐荘」さん、登山道の対岸にあるので、宿へ着くには「ジップライン」を使って川を渡るか、渡渉するしかありません。
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「ジップライン」とは、ワイヤーロープにベルトとハーネスを装着してぶら下がるアウトドアアクティビティで、こんなブランコみたいな物に乗ります。見た目より実際は高度があって、『「ジップライン」に乗るのも怖いし、渡渉するにも水流が強い…』なんて躊躇しちゃいましたが、伊藤新道を渡渉してきて服は既にずぶ濡れという事で、行きは渡渉を選びました。
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※「晴嵐荘」さん前のジップライン。翌朝はこれに乗りました。


楽しみにしていたのが「噴湯丘カレー」!!!古代米を使ったライスが「噴湯丘」の形になっているんです。見栄えだけじゃなく、カレーも完全手作りでスパイスの味が効いていて、めちゃくちゃ美味しいのです。野営→生きるか死ぬかの渡渉の後だったからかな??山奥でこんな豪華な食べ物にありつけるなんて幸せすぎて涙が出そうでした。
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※「噴湯丘カレー」チキンもゴロっと入ってて贅沢!


で、お次の楽しみは今年リニューアルされたばかりのお風呂ですよ♪宿泊者は夜通し入れます。
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うひゃー!雰囲気ある( ;∀;)
レトロな豆タイルに3-4人は入れそうな円形の湯船。そこに、ミルクのような白濁の湯がかけ流されているではありませんか♡41.6℃の湯は適温で、肌あたりが優しいながらガツンと玉子臭を放つ中性の硫黄泉(総硫黄12.4mg)がまた気持ちいいの…昇天しそうでした。
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※泉質:単純硫黄泉、泉温:50.2℃、pH:6.4、成分総計:804.5mg/kg、湧出量:未測定


源泉はお宿のすぐ裏にあり、大きな窪みに湧きだした湯が溜まってます(掘削自噴)。湯船まで最短距離で引いてこられているのでとってもフレッシュなんです。自然に近い状態なので雨の多い時は湯温が下がるそうです。
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続いて女湯です。基本的には浴槽の淵の色が異なるぐらいで男女共に同じ造りでした。
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外から見たお風呂場の様子。屋根の上に湯抜きがあり、いかにも長野の古い共同浴場のような佇まいでした。山小屋にしてこの風情は泣かせます。。
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気分爽快な翌朝。昨日は雨風で吹っ飛びそうなテントの中で怯えながら寝ていたのに、今朝はふわふわの布団で静かに目が覚め、用意された朝ごはん…それだけで「贅沢だなぁ。」としみじみ思うわけですよ。
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※おひつに入ったご飯がまた美味しい。


帰り際、支配人さんにご挨拶すると、面白いものを見せてくださいました。「湯股温泉晴嵐荘」と記載された昭和34年当時の木造の長椅子です。これだけ水害の多い高瀬川上流で、この宿を長年守ってきた先代たちの凄さを感じさせられるなぁ。
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※「湯俣温泉」の漢字は本来「湯股温泉」なんだそうです。



今年は念願の「晴嵐荘」さん宿泊、最高でした♪

食事や飲み物(アルコール類も提供)などのこだわりが素晴らしく、あの極上湯にも入れる…今まで訪れた温泉付き山小屋の中で、屈指の居心地の良さで感動でした。

そして何より、突然にも関わらず、へとへとの私を泊めていただき感謝しかありませんm(__)m



「湯股温泉 晴嵐荘」
住所:長野県大町市大町九日町2450
Tel : 090-5535-3667
営業期間:7月下~10月中

★★★★
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Posted at 12:28 | 長野の温泉 | COM(0) | TB(0) |
2023.10.26

長野_東硫黄沢出合の湯(入浴篇)


【東硫黄沢 出合いの湯】
本当にありました、グリーン温泉✨ちょっと離れた岩の割れ目から53℃の源泉が流れ落ち、湯船では36℃程度のぬる湯になっています。10月初旬ですが、標高1600m付近の気温は冬に近い。肩まで浸かれるよう「寝湯」しないと肌寒く感じます。周辺は強い硫化水素が漂っていて、少し離れた場所のテント内に居ても臭いがするほど強烈です。
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※泉温:53.4℃、pH5.7、強い硫化水素臭、苦味、エグミ、微酸味、色:グリーン


本当は東硫黄沢を遡上する予定にしていたのですが、なんだかんだ8時間ぐらい歩いて疲れたので、この日は夕方までずっと入浴。ここまでは調子よかったんですが、、、、
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※私が浸かると一瞬でグリーンが泥湯の色に。


この後、天気予報が一変。暴風雨に見舞われ、夜から翌朝の9時までずっとテント籠りを余儀なくされました。湯俣川は一晩で河原の巨石が「ゴロゴロロ…」と転がるほどの激流と化していて本当に怖かった~。
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※テント場である高台から見下ろす濁流。ひとたび雨が降り出すと、昨日渡渉した川とは思えないほど変貌する湯俣川。


2日目の早朝もテントが吹っ飛びそうな激しい豪雨と増水でした。帰りの時間を考えると更に上流の「硫黄沢」へ行くことを諦めざるを得ない状況。残念だけど予定変更して伊藤新道をピストン。ただ、ラッキーなこともありました。翌朝11時、やっと雨が止み青空に変わると、「出合いの湯」が美しいブルーに変色していたのです♡美しい♡
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11時を回ると水量も早朝より随分と減りました。崖の上から見下ろすと、本当に神秘的な風景です。断崖絶壁の赤茶けた岩壁に白や緑の筋が何本もあり、ぬるめの温泉が染み出しているのです。ここは日本でも唯一無二の景色が見られる珍しい場所なのだと思います。湯俣川。本当に来れて良かった。
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【東硫黄沢出合い 穴の湯】※仮称
「出合いの湯」の他にも、この周辺には何か所か温泉が湧いています。1つは「穴の湯」。河原のナメ床にあった窪みは1人用の湯船みたいになっており、中には乳白色グレーの湯が溜まっています。湯俣沢の温泉が凄いのは、こんな近距離に乳白色グリーン、ブラック、ブルーの微妙に異なる濁り湯を楽しめるところ。
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※実測:35℃、色:乳白色グレー


【東硫黄沢出合い 下の湯】※仮称
そして、湯俣沢を少し上った岩陰にもぬるめの湯が湧いていました。一番分かりにくい場所にあり、見つけるのが少し難しいかも。でもしっかりと温度もあるし、ブルーっぽく輝く「極上湯」ですよ♪
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帰りは増水がひどかったら、三俣山荘→双六小屋→新穂高の登山道ルートを歩くことも考えましたが、増水の湯俣沢を下ることにしました。写真は伊藤新道沿い、増水時に使う臨時の道です。高さ10mぐらいある断崖絶壁に取り付けられたアルミ製の板は、両足を揃えて立つのが困難なほど幅が細い( ;∀;) 高所恐怖症のわたしが今回一番恐ろしかったのがココでした。同時に、こんな高いところに道作った方、尊敬します。。山屋さんは凄い。
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※帰りの道中。正直生きて帰ることしか頭になかったw


「東硫黄沢 出合いの湯」
わたしにとっては、数年ごしの憧れの存在であったため、本当に心に残る経験になりました。目的地までは到達できなかったものの、こんな景色を見れて、こんな美しい色の温泉に浸かれて、しあわせとしか言いようがないです。

一方で、今までこんなに天気予報が一変した経験もなかったし、
これだけ増水した川を何時間も渡渉し、精神的にも肉体的にもヒヤヒヤすることはありませんでした。

今回は、自然の美しさ恐ろしさを一度に教えてくれる、
「湯俣川」の存在の大きさを痛感したのような気持ちになりました。
来年こそ、トレーニングを重ねて、今回、出合えなかった「秘湯」にリベンジさせてもらいます\(^o^)/


★★★★
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2023.10.09

長野_東硫黄沢出合の湯(温泉までの道のり)


「ブラック温泉」「グリーン温泉」

「へ~、こんな綺麗な野湯があるんだぁ。」
ちょうど7年ぐらい前、インターネットで湯俣温泉付近を調べていた時、更に沢の上流に色鮮やかな温泉が湧いていることを知り、パソコンに目が釘付けになった自分を今でも覚えています。

「いつか自分もいってみたい…。でも、目的地は山深く、前泊も含めれば3泊4日はかかる。」
恋焦がれながらも、なかなか手が出せずそのまま長い年月が経っていましたが、やっと今年訪問できました。

普段、野湯の記事をブログで書く時、(温泉中心にしたいので)道中はガッツリ割愛するのですが、今回は道中、自然の神秘をたくさん見ることができたので、いつもよりしっかりと書いていこうと思います。


【噴湯丘出発】AM10:30
快晴の朝。天然記念物「噴湯丘」から出発です!と思うかもしれませんが、実は、前の日、七倉山荘で宿泊していたので、当日は高瀬渓谷から湯俣温泉まで3時間歩いてきたというのがホント。湯俣温泉までの道中は過去記事(湯俣温泉過去記事)でレポ済なので、ここからスタートしますね。
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※天然記念物「噴湯丘」。この時期は渇水期で水量が少なく渡渉しやすかったです。


さて旅のはじまり。私にとって未知の世界、「湯俣沢」の遡上開始です。この先からは渡渉を数十回繰り返しながら進みます。今年6月にも取材で湯俣沢に来たのですが、その時は雪解け水が激流となっていて、とてもじゃないけど川は渡れなかったです。でも今年は8月ぐらいから明らかに水量が減って、渡りやすくなっていました。
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【第1吊り橋】
「噴湯丘」から東硫黄沢までは、途中まで❝伊藤新道❞という道を進みます。伊藤新道は、かつて長野県大町市から北アルプス最奥に位置する黒部源流への最短ルートとして、また三俣山荘を建設するための歩荷道として開拓された道。ただ、歩み進めるのは簡単ではありません。雨が降れば湯俣沢は激流と化し、V字の渓谷は落石の危険が常に潜んでいます。その伊藤新道の修繕が今年、40年ぶりに行われたのは山好きには有名な話。この第1吊り橋もそうです。
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※近年復活した第1吊り橋。行きは水量が少なかったので高所恐怖症(;^_^A)のわたくしは渡渉しました。


【ガンダム岩】
吊り橋から100m上流進むと、伊藤新道の中でも危険な箇所と言われる「ガンダム岩(通称)」にぶつかります。大きな岩が水平にぶら下がっているので、水流のすぐ上にある岩場の壁をくぐり(へつり)ながら進みます。ちょっとドキドキしましたが、渇水期でもあるので身体は浸かりませんでした。ここは死者もかつて出たような事故多発ポイント。慎重に行きます。
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※ガンダム岩は山肌にへばりつくようにして固定されていますが、毎年山肌は削られ薄くなっているそう。


【第3吊り橋】
伊藤新道の中で、恐怖を感じたのがこの第3吊り橋。実は、めちゃめちゃ高いんです…。しかも、橋板は歩幅の半分ぐらいしかないアルミ製のもので、滑って足を踏み外さないか常にドキドキしました。
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※高所に張られた第3吊り橋。行きは怖いので渡渉、帰りは橋を渡りました。


この辺りから、段々と川の勢いも増し、左右に広がるV字の山肌には落石して間もないと思われる尖った岩がゴロゴロ。ヘルメットを装着し心を引き締めながら進みます。
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【第5吊り橋】PM13:45
V字の峡谷が開けて、テントがはれそうな平らな台地に到着。第5吊り橋付近です。ここは歩いてきた中で最も落石や増水の不安が少なく安全な場所。少しばかりホッとしました。
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【三俣山荘分岐】
すぐ近くに、三俣山荘への分岐があります。この急登を進めば伊藤新道のまま「三俣山荘」へ。湯俣沢をつめれば伊藤新道から外れ、東硫黄沢に到着です。
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※分岐。「三俣山荘」の他「双六小屋」、「雲ノ平山荘」など様々な山小屋へ抜けられます。


分岐でちょっと休憩をとり、段々足腰も疲れて来たなぁ~と感じていた時(既に歩き始めから8時間)、目の前に見た事もないような神秘的な「ブルーの滝」が!!これぞ、湯俣ブルー!思わず叫んでしまうほどの鮮やかさです。
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この湯俣ブルーを目の当たりにした直後から、強烈な硫化水素の香りが周辺に漂い、白くなった岩壁からは複数個所、温泉が自噴しナメ床を流れていきます。また緑の苔や白い析出物が山肌を覆って、カラフルな空間を造り出しています。「うわ~!!これは凄い。」何度、驚きの声をあげたでしょう?現世とは思えない…国内でも大変珍しい光景だと思います。
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ナメ床(流水が穏やかな一枚岩の上を流れている所)が広がり、窪みにはグレーの温泉が溜まっていました。
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※窪みには30℃ぐらいの、ぬるめの湯が。人1人は浸かれる湯船です。


【東硫黄沢出合いの湯】 PM14:40
崖を登ってみると、目の前に鮮やかなバスクリーン色の温泉が。渡渉5時間(湯俣までの歩き3時間)、合計8時間のアドベンチャー。無事に、「出合いの湯」に到着です(涙)。野湯で、ここまでグリーンの温泉はこれまで見たことがなかったので驚きでした。温泉好きなら誰もが憧れる「国見グリーン」にも少し近いかもしれません。
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※珍しい「緑湯」。岩手県の国見温泉(晴れの日)のように澄んだグリーン。


興奮のあまり、ヘルメットのまま駆け寄ってまずは記念写真を♪「ここに入ったら確実に湯の色が変わっちゃう…。濁る前にこの澄んだグリーンを目に焼き付けたい!!」そう思う気持ち、温泉好きさんなら少しは共感していただけるなぁと🤤
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次のページでは、実際に「出合いの湯」に入った感想や、周辺の野湯について書きますね\(^o^)/
つづく♪♪


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Posted at 18:00 | 長野の温泉 | COM(2) | TB(0) |
2023.09.26

富山_高天原温泉_高天原山荘 ②雲ノ平山荘~高天原山荘


何とか門限の16時までに、雲ノ平山荘に到着しました。この辺りの景色、本来は素晴らしいのですが、小雨でガスってて、何も見えません…( ;∀;)
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さて、雲ノ平山荘に何故泊まりたかったかと言うと、1つ目は山小屋とは思えないオシャレな空間を味わいたかったから。「雲ノ平食堂」では、食事に留まらず、デザートやワインまでバラエティ豊かなメニューをいただくことができます。木目調の温かみのある食堂は、まるで、東京都内のカフェにでも来たかのような雰囲気です。
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本棚にも本がズラリと並べてあって、ここで景色を眺めたり、読書を楽しんだりできるんです。
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2つ目の理由は、山荘名物の「石狩鍋」が食べてみたかったから。中に大きなジャガイモと鮭が入っているのですが、食べ応えがあり、お出汁も本当に美味しかったです。横に座っていたお母さんたちも「うん、美味しい」と納得のご様子♡それにしても、今日はよく歩いたのでお腹の減りも尋常じゃない…。
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【AM6:30 雲ノ平山荘出発】
翌朝高天原に向けて出発です!標高が高いからでしょうか…次の日もガスガスww 木道でスリップしなように気をつけて歩きます。高天原山荘へは、約2時間半で着いちゃうはず。朝早く高天原温泉に到着し1日を堪能することも、雲ノ平山荘に泊まった理由でした。
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※2日目は道のりも短く、足取りも軽やか。


途中、ハシゴを2-3か所下りていくのですが、下りなので全くしんどさを感じません。高天原山荘から雲ノ平山荘に登っていく人たちとすれ違うたび、「何でこんなに早く高天原に行くんですか?もっと●●岳とか見所あるのに…」と、首を傾げられました。その度に「温泉に浸かれればいいので…。」と説明するわたし( ´艸`)どんな素晴らしい景色があろうと、1分1秒でも早く温泉に浸かることが優先です (笑)
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あと500m!!!憧れの高天原にこんな近距離まで近づいていることに感激です✨もう、休憩なしで一気に行きますよ。
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【AM9:18 標高2125m 高天原山荘到着】
そして!!ついに、ついに、高天原山荘到着。いや~、長かったなぁ。赤い屋根が見えた瞬間、声を上げて喜びましたよ。
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小屋に着くと、10時からのチェックインということで、すぐさま河原の露天風呂へ。「からまつの湯」は小屋から20分下ったところにあります。(これが割と遠い…(;^_^A) 河原には①男性(兼混浴) ②女性用 ③混浴の3つのお風呂があり、女性は全て入浴できちゃうという、女性に嬉しい宿なのです!!! 
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※河原の開放感バツグンの空間に露天風呂が3つ鎮座する。


まずは、開放感ナンバー1の混浴露天風呂から!いや、このピーカンの空とミルキーグリーンの湯のコラボ、もう最高じゃないですか。お湯はちょっぴり苦味があり、硫黄の香りが強いです。実はこちらの源泉は、前日から新しい源泉に変わったそうで、注ぎたては黒色をしていたのだとか。不思議ですよね、温泉って。場所によっても特徴がさまざま。
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※ 源泉名:高天原温泉、泉質:未掲載、泉温:57.8~62.5℃、pH:6.2、湧出量:毎分69ℓ
※ 上記は昭和62年の分析書のため参考まで。


お次は女性風呂です。河原に暖簾がゆらゆらと…いい感じです。
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まさかの、男性風呂より広~くて、ゆったり♡行くのは険しいけど、実は高天原温泉って女性に優しい宿なんですよ。温度は40℃弱、かなり温めでいつまででも浸かっていたい衝動にかられます。
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※湯船から空を見上げる、しあわせな瞬間。


ちなみに、男性風呂はこちらです。四角い湯船。女性風呂の建屋と並んで河原にあります。
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「かんぱーーーい」
いや~、本当にいい湯でした。小屋に戻るともう15時ぐらい。喉も乾いたところで、小屋前のテラスで集っていた他の宿泊者さんと一杯。こんな秘境にわざわざ歩いてくる人たちの集まりだけあって、年齢も性別もバラバラだけど、みんな個性強めで話がおもしろい(人の事言えないけど 笑)単独で来てる人も多く、尚更、会話が盛り上がります。
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※山はこの瞬間が楽しい♪


夕暮れ時。小屋にオイルランプが灯ります。電気がこないので、高天原の夜はランプの灯で過ごす。やけに落ち着くんですよね。ランプだけだから、宿泊者が寝る時間も他の山小屋に比べて早いのには驚き。殆どの方が暗闇の中、19時半には就寝されてました。
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※オイルランプが灯る食堂


山ごはんは、ハムカツ、天ぷら、ゴマのパスタ、煮物など。それにお蕎麦。ボリュームもあって、どれも、おいしゅうございました♪
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※ボリュームたっぷりの夕飯


夕食後、小屋前のテラスに出ると不思議な景色に遭遇。っ夕日で照らされ山肌が薄っすらオレンジ色に染まってます。それを見つけた宿泊者たちがテラスで写真を撮ったり、眺めたり…。いいなぁ、ゆったり流れる山時間。
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※夕刻、一瞬だけ愛でることが出来たオレンジ色の光


帰りは、行きとコースを変えて大東新道から帰りました。大東新道は戦前に高天原一帯で鉱石を岩苔乗越~鳥帽子~七倉に運び出していた大東鉱業が昭和30年代に切り開いた登山道。4つの沢を超え、ハシゴの上り下りのあるルートで簡単ではないですが、黒部川沿いを歩いていくので、私にとっては何とも爽快なコースでした。
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※河原の登山道。巨石にスプレーで目印を書いてくれているので迷うこともなく歩ける。


ちなみに、帰りのコースタイムですが、
6:05高天原出発→11:20薬師沢小屋→15:00太郎平小屋→17:20折立登山口でした。

そりゃ~もうね、1日目の雲ノ平山荘までは、本当にしんどかったです!!
でも、その分、朝から夕方までゆっくりと高天原のミルキーブルーの湯を堪能できたこと、それは狙い通りでした\(^o^)/
また、いつか、再訪できる日まで…


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「高天原温泉 高天原山荘」
住所:富山県富山市有峰 字黒部谷割国有林112林小班
連絡先:076-482-1917
Posted at 20:50 | 富山の温泉 | COM(3) | TB(0) |