2020.05.31
東京_鴎外温泉 水月ホテル鴎外荘
森鴎外ゆかりの宿として、東京の下町で親しまれるお宿「水月ホテル 鴎外荘」
が5月末で80年の歴史に幕を閉じられるという事で、今回最初で最後となる訪問をしてきました。
初めて下りた駅 根津駅。
下町っぽい雰囲気とおしゃれなビストロが入り交ざる不思議な通りをてくてく歩き、少し路地に入ると、緑に囲まれた静かな住宅街が見えました。鴎外荘は、この閑静な住宅街の中にポツンとあります。
なんかとっても唐突な感じ。

驚いたのは、平日の昼間なのに入浴帰りのマダムが次々と鴎外荘から出てこられたこと。夕方になるとホテルの宿泊客などで、人数はもっと増え(コロナの予防で)何と入場制限までかかっていました。「鴎外荘」という名前から想像していたのは、誰もいない古びた木造の宿から、ご主人の年老いたおじいさんが出てくる感じ・・・そのイメージとは異なりました。

中庭に進むと、森鴎外が代表作「舞姫」を執筆する際に過ごした邸宅が当時の趣のまま残されていました。中はオレンジ色のライトが灯り、幻想的な雰囲気。なんだろう、ここだけ何か東京じゃないような、時間の流れがゆっくりです。

お風呂までの通路には行灯が灯されていました。夕方の空とのコントラストがすごく、綺麗。落ち着くなぁ。

【大浴場】
大浴場はヒノキと大理石2種類あり男女交替制でどちらも楽しめます。この日は大理石の方でした。

10人は余裕で入れそうな大きめの湯船に琥珀色の薄いモール泉が浸され、波打ちながら常時溢れ出ていました。「おっ💛いいかも。」

※源泉名:鴎外温泉、泉温:19.1℃、泉質名:なし(メタケイ酸と炭酸水素ナトリウムの規定泉)、pH:8.4、湧出量:30リットル/分、薄い琥珀色、成分総計:562mg/kg
サラサラと・・・波打ちながらあふれ出すお湯。

お湯は、香りなどは殆ど感じないものの程よいつるつる感があり、素直に気持ちのいいの一言でした。炭酸水素ナトリウムとメタケイの規定泉(温泉ではあるものの泉質名がつかない温泉)という事で、来るまでは余り特徴のないお湯かと思っていたので、いい意味で期待を裏切られ嬉しくなってしまいました♪

温泉というのは、ほんとに浸かってなんぼ。分析書上でプロフィールを見て先入観もったって、浸かってみたら意外と良かったりするもんで、いや、それがおもしろいんですね。

帰りは根津の裏路地探索!妖艶なルックスの割烹「うさぎ」さんで乾杯しました🥂実はこちらのお店、根津でこの道50年の老舗割烹なんだそうです。

この日のお勧めは、和歌山産の初もの鮎!古座川とか清流が多い和歌山の「鮎」はホント美味しいんですよね。「ああ、そろそろ関西に帰りたいなぁ・・・」と、故郷を思いながら旬のごちそう、味わって食べました。

琥珀色の湯と下町の渋い酒場に集う気の合う仲間・・・コロナ騒動で殆ど人に会ってなかったからか、数か月ぶりのリアルな飲み会は最高に楽しいひと時でした。

わたし、普段は温泉の「惜別訪問」って余りしないんです。
なぜなら、終わっていく温泉は幾ら良いと思っても、もう、誰にも広めることができないから。ブログやSNSで温泉を書くモチベーションは、私の場合、自分がいいと思った温泉を誰かに知って欲しいっていう気持ちが根底にあるんだと思います。
でも、「鴎外荘」には本当に行って良かったと思いました。
東京の下町にこんなに長い歴史があって、お湯が良いお宿があったということを知れたから。それだけでも、行った甲斐がありました。
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「鴎外温泉 水月ホテル鴎外荘」
住所:東京都台東区池之端3丁目3-21
TEL:03-3822-4611
※ホテルと温泉は2020/5/31までで閉鎖されるそうです。
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